2006年10月06日

しんどいことは9割5分、残りの5分をやりがいに <株式会社ワコール 人材開発部 田原卓哉氏>

しんどいことは9割5分、残りの5分をやりがいに <株式会社ワコール 人材開発部 田原卓哉氏>

〔プロフィール〕
27歳。早稲田大学人間科学部卒業。人材開発部所属。好きな言葉は「日々努力、日々前進」。趣味はソフトボール、こどもと遊ぶこと。


―――人材開発部とは実際どういったことをされているのですか。
 人材開発部とは、読んで字の如く人材の開発、育成、成長させることを業務内容としています。主な内容としては、私がやっている新卒、中途、障害者採用ですとか、昇格関係(社内で候補者を選定し、試験を実施。会議で昇格の認定を出すなど)、移動関係、また、新人研修などの人材教育やスキルアップのための研修などを行っています。

しんどいことは9割5分、残りの5分をやりがいに <株式会社ワコール 人材開発部 田原卓哉氏>―――そういったお仕事をされている中でのやりがい、喜びは何でしょうか。
 私は営業を3年半行っていました。最初は東京の方の百貨店担当でセールスをやり、こちらに来て約1年が経ったのですが、ワコールという会社はメーカーなので、ものを作り、売ってなんぼの世界で仕事をしてきました。それが正にメーカーでの仕事、役割だと思っていたのですが、この人材開発部に来て何が楽しいかといいますと、やはり一番の喜びは「人との出逢い」ですね。
 私の場合ですと、特に学生さんとの出会いはとても楽しみなことです。就職活動シーズンになりますと何万人という学生さんと話すことが出来て、逆に学生さんから教えられることも多いです。そして彼らの言葉から私が発奮し、さらに仕事に対するモチベーションも上がることもあります。人との関わり合いの中で様々な業務が生まれてくることは面白いですね。

―――ワコールという会社上、女性の方が多いと思うのですが、男女比はどれ位ですか。また、そこで苦労なさったことなどはあるのでしょうか。
 社内で見ますと、おおよそ8割が女性です。ただ、総合職というカテゴリーになりますと、逆転して男性が8割になります。やはりデザイナーや販売員では女性の方が主になります。私もポイントごとに女性の方ともちろん仕事をすることもありますが、男性であろうと女性であろうとワコールという大きな船に乗って一緒に仕事をする仲間なので、あまり女性が多いからといって意識したことはありません。まあ、最初のころは扱っているものがものですので、やはり営業ですと女性のほうが知識は豊富ですし、知識の差を埋めるのが非常に難しかったことはありますね。
 また、学生ですと自分の行動や、意識は自分自身の肯定で終わるのですが、社会に出ますと評価をするのは他人ですので、見られているという感覚が養われました。例えばこういう業界にいますのでカッコいいスーツを着ていようとか。俗な言葉ですけど、カッコよくいたいと思うようになってきたのは確かです。

しんどいことは9割5分、残りの5分をやりがいに <株式会社ワコール 人材開発部 田原卓哉氏>―――本社サイトがとても充実していらっしゃいますが、その必要性は何でしょうか。
 ネットから情報を得るという時代になってきていますので、ネット販売面を充実させないとお客様の満足が得られないことがあげられます。本来ならばワコールの販売方法としては対面販売、お客様に対するコンサルティングという言葉を使うのですが、お客様のお顔の表情を見ながら接客して販売するというのが理想ですね。また、そこでの葛藤があったからこそネット販売などの分野で出遅れたということもありますので、他社さんがネット、カタログ販売を開始されて数年経ってからワコールも始めた形になります。やはり、ネットから商品の情報をキャッチするということも広まり、必要とされているので、ワコールもその波に乗ってホームページを充実させてきているというわけです。

―――CSR(企業の社会的責任)についても意欲的に取り組んでいらっしゃいますが、個々人で心掛けておられることなどはありますか?
 身近なことでしたらゴミの分別や、捨て方などを社員一同徹底してやっております。また、ワコールでパンフレットを作らないのは、ISOからの視点からもそうですが、やはり環境問題について積極的に取り組む為、紙を無駄にしないという考えの下行われております。私個人としては普段の行動からですね。特に職場がある西大路近辺は狭い世界ですので、どこで誰がワコールの社員を見ているか分かりません。女性共感企業と謳っている以上、会社の外に出てもそういったことを意識することは心がけてはいます。それは全社員共通して心掛けていることだと思います。

―――国内シェア約4割を占める秘訣をお教えください。
 まず、NO、1という意味でのリーディングカンパニーということもあるのですが、日本に下着文化を持ち込んだのが、ワコールの創始者である塚本幸一さんでして、必ず洋装文化が訪れるということを考え、戦後間もない頃に創ったというところから始まっています。その他では、ワコールの一番の強みというのは品質を含めた「ものづくり」です。全て研究所のデータに基づいたものづくりを心掛けておりますので、フィッティングがいい、長持ちするところなどから指示を得ているという強みがあります。
 また、M&Aを含めた事業改革を積極的に行っており、その一つに他社との業務提携が挙げられます。ワコールは若年層の取り込みが一番下手な会社と言われておりまして、価格帯やセンスの部分で他社に劣っているという現状がありました。
 そういった中で、特にカタログ、ネットでの販売の分野でノウハウをもっていらっしゃる会社様と力を合わせることにより、お互いのメリットを生かした仕事をしたいと考えております。


―――どんな学生生活を過ごしていらっしゃったのですか?
 私は中・高・大とソフトボールをしていまして、社会人になった現在も続けています。また、出身は関西ですが、早稲田大学の人間科学部で勉強しました。高校時代、進路に悩んでいた時、早稲田の人間科学部で、スポーツの勉強をしながらスポーツが出来る、という授業内容が面白そうだったので、人間科学部に入りました。学生時代やっておけば良かったことは、勉強。やっておいて良かったことはもちろん、部活。あと、やらなければ良かったことはバイトです。なぜかというと、卒業したら嫌でも働かなければいけませんから、学生時代にやるのであれば、拘束されない程度のバイトがいいですね。

―――なぜこの業界に入ろうと思われたのですか。
 私は部活しかやっていなかったので、ソフトボールで生活できればいいと思ったのですが、如何せんプロはないですし。一番の親孝行を考えたときに、ある程度納得させうる企業に入ることが一番かなと考えました。とはいえ、旅行業界や商社のような人気業界には一向に興味が持てませんでした。そんな時、大学時代、僕が一番尊敬していて、カッコよく、生き生きと仕事をされているOBの方がいらっしゃってお話を聞いたところ、その方の就職活動で2社、どちらに就職するか迷ったというお話を伺いました。なぜかというと、その2社は面接が楽しく、就職活動が楽しく出来たということが理由だったそうで、そのうちの一社がワコールでした。実際、面接を重ねるごとに会う人会う人面白くて、純粋にこういう人みたいになりたいなと思え、内定をいただけたので就職しました。僕のもともとの夢は先生になることだったのですが、ワコールに入社が決まり、この部署に配属され、先生のような仕事をしていることに気付きました。これも巡り合わせですかね。

―――入社当初の印象はいかがでしたか。
 印象として華やかなイメージを持たれることが多いのですが、実は体育会系チックな感じです。また、新入社員研修では、専門的なことではなく、社会人としてのマナーを1週間泊り込みでし、工場見学もしたことが印象に残っています。

―――田原さん自身どういった人に入社してほしいと思われますか。
 面接を受けて、最終に至るまでに、ワコールを好きになってくれた人ですね。ワコールの看板ではなくて、実際働いている人間に惹かれてとか、こういう人になりたいと思ってくれた人に入ってほしいです。逆にそうでないと入社後の自分のビジョンが見えてこないと思うので。
 
―――ご自身の理想像に近づいてらっしゃいますか。また、今後の目標はどういった形でしょうか。
 自分で判断することではないのですが、あの人を目標にしているということは周りに公言しています。近づいているかは周りが判断してくれているのではないかと思います。

しんどいことは9割5分、残りの5分をやりがいに <株式会社ワコール 人材開発部 田原卓哉氏>―――学生へのメッセージをお願いします。
 学生は学生らしく!ということが一番です。就職活動が始まると、変に社会人ぶる学生もいますが、面白くないですね。こちらとしては、学生らしさを見て人間性を見ることしか出来ないので、面接に来て社会人に着飾った人を見せられたところで、何の魅力も感じないですよね。面接は能力の有る・無いでジャッジするものではないですので、会社と学生さんがお見合いをして、成立するかしないか、それだけの話です。
 現在、就職自体がラクになってきていると思うのですが、ラクという大枠は変えられないにしても、就職活動に関しては苦労してください。苦楽しむ(くるたのしむ)という、就職活動の中で楽しみの中にも苦しさや辛いことを経験することで、入社してから社内で一旗揚げてやろうという気持ちも芽生えると思います。
 社会人になると、しんどいことは9割5分で、残りの5分をやりがい、楽しみにして仕事をすることが大切だと思います。逆に、ラクな仕事ほど面白くないですので、段々と変な汗をかきながら仕事をしていくと、自分自身仕事が楽しくなりますよ。


〔コメント〕
 西大路駅から出てすぐ、ピンクのリボンが印象的なワコールの本社にご訪問させていただきました。内観もとても綺麗で、働いている女性の方も綺麗な人ばかりでした。
 田原さんにインタビューさせていただいた中で、一番印象に残った言葉は9割5分はしんどく、残りの5分は楽しみにということばです。最初はたった5分だけ?と思いましたが、自分の好きな仕事をしている上でのしんどさは、達成感も一入だろうなと感じましたし、社会人の方の生の声をお聞きできて勉強になりました。(林)

 「あこがれの人がいて、そんな人になることを目指して仕事をする。」今回のインタビューの中で、その言葉に一番心惹かれました。私も働く場に出たとき、そういった、人として好きな人と一緒に仕事をし、身近なところで学んでいきたい、と思いました。今回の企画では、多くの人とお話できる機会があるので、その機会を大切にして、出逢いや人との触れ合いのすばらしさ、大切さを感じることが出来、大変よい経験をさせて頂けました。(田中)

【会社概要】
社名:株式会社ワコール
本社住所:〒601-8530京都府京都市南区吉祥院中島町29
事業内容:ファンデーション、ランジェリー、ナイトウエア、リトルインナー、アウターウエア、スポーツウエア、その他の繊維製品、その他の事業
経営の基本方針:1、愛される商品を作ります 2、時代の要求する新製品を開発します 3、大いなる将来を考え正々堂々と営業します 4、より良きワコールはより良き社員によって造られます 5、失敗を恐れず成功を自惚れません
創業:1946(昭和21)年6月15日 塚本幸一が、復員直後に婦人洋装装身具の卸商として和江商事を創業
創立:1949(昭和24)年11月1日 資本金100万円、従業員10名で和江商事株式会社を創立
社長:塚本能交
URL:http://www.wacoal.co.jp/

posted by パシオ実習生 at 22:30| 京都 晴れ| Comment(0) | インタビュー記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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